ギター弦の高さと演奏への影響

アコーステックギター

アコースティックギターは弦を鳴らすことで音を奏でるわけですが、意外に重要なのがその弦の高さです。買った時の状態のままでずっと変わらなければいいのですが、ギターは生き物です。長い間に弦の高さは変わってきます。

一体どういう影響があるのか。それをどう調整するのかを説明します。

弦の高さはなぜ変わる?

弦というのはブリッジサドルから伸ばし、ヘッドのペグに巻きつけています。そのためギター本体には常にヘッドに向かって引っ張る力がかかっていると考えてください。

この引っ張っている力というのは意外と強く、ギター本体に様々な影響を及ぼします。何もせずに放っておくとどうなるか。

まずネックが反ります。ネックも木でできていますから両端から引っ張る力が加われば曲がります。いきなり曲がるということはありませんが、長い時間をかけて曲がっていきます。そのためなかなか気づかないこともあります。

またブリッジサドルが浮いてしまったりとギターそのものに大きな影響を及ぼし、最悪の場合ギターそのものが壊れてしまうということもあります。また弾く時に少し押弦するにの力が必要になったり、音が響かなくなったりと演奏にも影響します。

参考:アコースティックギターの弦交換で知っておくこと

どうやって調整する?

いくつか方法がありますが、簡単なものをご紹介します。「なんか弾きにくいな」と感じた時にネックの反りを確認してください。ギターを寝かせて、ネックに定規を当ててボディー側の根元、ヘッド側、真ん中辺りの三ケ所で計ってみてください。

真ん中辺りが離れていたら順反り、逆に近づいていたら逆反りです。または単純にギターを持ち上げ、ネックエンドからネックを目の高さに合わせ片目をつむって見るとわかると思います。

反りの方向が確認できればネックのトラスロッドを回します。

トラスロッドとはネックの中に仕込まれているネック調整のパーツです。トラスロッドはギターによってはヘッド側にあったりネックエンド側のあったりしますのでご確認ください。これを回してネックの反りを直します。

弦高が高いという時にはブリッジサドルを少し削るという方法もありますが、やり過ぎると取り返しがつかないので慎重に行ってください。

弦高による演奏への影響

結局のところ、弦高が高ければいいのか低ければいいのかということになると、全くのお好みなのです。弦高が高めに貼っていればアコースティックギターのガツンとしてふくよかな音の鳴りを楽しむことができます。

しかしデメリットとしては弦を押さえるのに若干力が必要となってきますので、テンポが速い曲や速いフレーズには対応しにくくなることがあります。

逆に低いと、あまり箱鳴りはしませんが、軽いタッチで弦を押さえることができるようになるので、速いフレーズや押尾コータロー氏のようなタッピング、スラップを交えた複雑なスタイルの演奏に対応しやすくなります。

どちらも一長一短あります。あなたがどのようなスタイルで演奏したいかを考えて愛機のコンディションを整えてあげましょう。

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